初めまして
melloと申します
今回のテーマは『オルカン信者は出世しない』です
結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます
『出世する』という事が人類普遍の幸福であると考えているのも一種の思考停止であり、『金持ち』という事を定義していないので、どの程度の資産家を想定しているのか分からない
内容が気になった方は引き続きご覧ください
さて、今回はNEWS PICKSというサイトの動画が話題になっている様です
また、予告編というかショートバージョンをYOUTUBEにも載せている様です
NEWS PICKSはこちら
YOUTUBEはこちら
このサムネを見て、少しでもイラっとした人は有料会員登録はしない方が良いと思います
私も、こういった詐欺サムネ・釣りサムネには辟易しているので、YOUTUBEで公開されている無料分だけを見ました
登場人物は3名(冒頭の人も含めると4名)です
岡元兵八郎氏
奥野一成氏
井村俊哉氏
の三名です(冒頭の人は大酒丈典氏)
岡元氏の主張
オルカンも悪くないが、オルカンよりもSP500とナスダックと新興国を組み合わせた指数の方がリターンが高い
奥野氏の主張
インデックスに投資をしても学びにならない、どこまで行っても人に言われるがままのワーカーに過ぎず出世できない
本当の意味で大金持ちになるのは企業の社長ではなく株主だ
ビジネスの解像度を上げる為に最も良い教材は株式投資である
オルカンは長期投資をする上では大正解、ただ本当に投資商品に納得感を持って投資をしているのでなければ短期で売却してしまう事になる
井村氏の主張
お金持ちになりたいのであれば個別株投資をした方がその可能性は高い、ただし向いている人の場合に限る
大酒氏の主張
オルカンは勧める側に都合の良い商品であり、勧めた責任が生じない
オルカンは完璧ではないし、欠陥もある
さて、ではそれぞれに対する私の見解を述べていきたいと思います
まず岡元氏の主張
「もっと良い指数がある」
というのはご勝手にどうぞという印象です
SP500とナスダックと新興国を組み合わせるという事ですが、当然ですがSP500とナスダックでは重複部分が出てきます
それぞれの上位10銘柄程度を見て貰えば分かりますように、同じ銘柄が並びます
つまりこれは、「対象範囲を指定して、その中で時価総額加重平均で投資をする」
という事に反しています
この考え方を先鋭化した所で行き着く先はレバレッジとなります
今、最も業績の良い企業に出来るだけの資金を投入する、という考え方はまさしくレバナス民と変わらない考え方です
また、途中で出てくるオルカンとSNE指数のチャートに関しても、なぜか2000年から始まっています
つまり約25年チャートです
25年程度の結果を見て「こっちの方が良いじゃん」と主張するのはあまりに短慮と言わざるを得ません
奥野氏の主張については
まず、最初に、個人的には奥野氏は所謂『昭和的考え方』な人間の様に思います
『出世する』という事が人類普遍の幸福であると考えているのではないでしょうか?
ピーターの法則について書いた記事があります
簡単に説明すると、優秀な人間を選択して昇進させていくシステムでは会社内の全員が無能となる
という法則です
この法則から逆算するならば、出世している人は無能とも言えます
そうでなくとも現代では出世したくない若者というのも多く居ます
何度も昇進依頼を蹴り、無理矢理昇進させられそうになったから会社を退職するなんて事例もある程です
つまり、以前ほどより出世=幸福ではなくなっているのです
ビジネス解像度云々というのは、結局この人の主観でしか無く、会社に良く居る『若者に自分の武勇伝を語りたがる老人』でしかありません
また、大金持ちは会社の社長ではなく株主だという主張は『金持ち』という言葉を厳格に定義してから語って欲しい所ではあります
1億円持っていたら金持ちなのか?
100億円持っていたら金持ちなのか?
1兆円持っていたら金持ちなのか?
1兆円の借金があっても金持ちなのか?
何を持って金持ちかという前提も無しに「本当の金持ちは~」なんて主張は、匿名ネット掲示板の書き込みと同価値な主張です
オルカンに投資をする多くの個人投資家は、ほとんどが資産残高1億円も無いでしょうし、それ以上に資産を膨らませたいと思う願望は薄いと思われます
一般の個人投資家からしたら、1億円や2億円も持っていたとするならば、立派な金持ちと考えると思います
そして、ここからは個人攻撃の様になりますが、氏の運営するファンドである『おおぶね』ですが、目論見書を見る限り、昨今の流行りに逆らった、分配金を配当する(p11)購入手数料を2%超(p13)も取る投資信託です
信託報酬も0.99%と高額です(アクティブ投資なので当然と言えば当然ですが)
https://www.ja-asset.co.jp/fund/140829/pdf/koutline140829.pdf
こんなファンドを運営している人物がオルカンを否定したとしても、それは「自分のファンドを買って貰いたいだけのポジショントークではないか」と言われてもおかしくありません
また、長期投資をする上で納得感を持って投資をするのか何となくで投資をするのかは、売却に対する心のストッパーという意味合いでは段違いであるという主張は大いに賛同する所です
井村氏の主張に関してはショートバージョンではほとんどカットされており、意向が全く読み取れません
ただ、氏の主張もお金持ちになりたいのなら個別株という事ですが、この主張に関しても『お金持ち』という言葉の定義が曖昧であるというのは奥野氏の主張と一緒なのですが、金持ちになるという事の実現可能性の話をしている可能性もあります
極論すれば、先日のあおぞら銀行の様にストップ安した直後に大暴騰する様な銘柄にジャストタイミングで投資が出来れば資産1億円、所謂『億り人』となる可能性は高い様にも思います
インデックス投資ではこの様なストップ安ストップ高をジャストタイミングで捉えるという事は出来ません
そういう意味合いでいうのであれば、インデックス投資で金持ちになる実現可能性は低いのかもしれません
インデックス投資で莫大な金を得る為には、大金を長期間投資し続けるしかありません
言ってみれば、丁半博打で51%の確率で丁が出る場で、ひたすらに毎ゲーム同じ金額を丁に賭け続ける様な物なのです
最後に大酒氏の主張については
そもそも、投資は自己責任であり、自分が投資で被った損失を誰かが補填してくれるなんて事はありえません
であるならば、商品を勧めた責任なんて物は今までもこれからも存在しません
この主張ではまるで、SNE指数やおおぶねに全資産を投入して損失が出た場合に保証がされるかのようにも取れます
悪質な宣伝広告とも言えます
また『オルカンが完璧でなく欠陥がある』と言っていますが、その欠陥は○○である
という内容も話していません
これではただのやっかみと捉えられても仕方がありません
総合して、結局誰一人として論理的にオルカンの優位性を否定出来ている主張はありませんでした
ただのビックマウス動画であり、底辺Youtuberの戯言と変わりありません
『信者・思考停止・出世できない・』等の他者に対する侮辱言葉を羅列して、誰かの感情を動かせられたのなら儲け物という様な考え方はどうかと思います
というお話でした