初めまして
melloと申します
今回のテーマは10月06日に発表された新しい投資信託
結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます
特別優れた点は無く、それぞれeMAXIS Slimシリーズの物を購入する方が良い
内容が気になった方は引き続きご覧ください
さて、今回は新作の投資信託についてです
その名も
楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド
楽天・S&P500インデックス・ファンド
です
名前からして分かる通り、センスの欠片もございません
まぁセンスが無くても良い商品というのは有ります
内容に移ります
信託手数料はそれぞれ最安ファンドであるeMAXIS Slimと同額です
オルカンは0.05775%
S&P500は0.09372%
オールカントリーの方が分散されているのにも関わらずオールカントリーの方が手数料が低いのは、私としてはどうしても納得がいきません
それは一先ず置いておくとして、パクリ元のeMAXIS Slimの方はコンセプトとして「業界最安を目指す」というテーマがあります
新設される投資信託や、既存の投資信託であっても手数料の値下げが行われた投資信託が業界最安となった場合はeMAXIS Slimシリーズは追随して値下げをするというコンセプトです
これは、逆に言えば他に安い投資信託が無ければ値下げする気が無いです、と吐露している事に他なりません(携帯3社の談合の様に基本的には顧客から金を毟り取りたいという気持ちの表れです)
そもそもeMAXIS Slimの誕生自体が個人投資家を馬鹿にした経緯があります
私にはどうしても顧客ファーストの経営方針であるとは思えませんので、私は資産運用にeMAXIS Slimシリーズは含めない様にしています
しかし、合理的に考えてベストバイはどれかと言われればeMAXIS Slimシリーズである事は疑いようがありません
という事で、新設される投資信託の大概はeMAXIS Slimシリーズを目標にするという事が増えました
そして、既に多額の資産を集めているeMAIXIS Slimシリーズに対抗する方法としては、単独最安に設定して新規の顧客を集めなくてはなりません
純資産額というアドバンテージがある限り、別の所で優位性をアピールしなければわざわざeMAXIS Slimシリーズから資金移動しようという気にならないからです
そこで最近になって登場したのが、Tracers MSCIオール・カントリー・インデックスです
当時、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の信託報酬が0.1133%であった時にTracersは0.05775%とeMAXIS Slimの半額の手数料で出して来ました
半額ともなるとeMAXIS Slim側も即決は出来ず、しばらく単独最安である期間が続きました(Tracersは発表されただけでまだ販売はされては居ませんでしたが)
そこに新しく、はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)という新設の投資信託が発表されました
信託報酬はTracersと同じく0.05775%です
そこまで行ってようやくeMAXIS Slimは重い腰を上げて信託報酬の値下げに踏み切りました
Tracersやはじめてと同じ0.05775%です
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の現在の純資産額は約1兆4705億円です
信託報酬が当時、0.1133%です
つまり、1兆4705億×0.001133(0.1133%)=16億6607万6500円の報酬の内(全額がeMAXIS Slimシリーズの運用会社である三菱UFJアセットマネジメントの元に入る訳では無いが)半分を捨てた事になります
その額は8億3303万8250円です
これは、三菱UFJアセットマネジメントからすると痛い出費です
しかし、eMAXIS Slimシリーズの『業界最安を目指す』という金看板のブランド価値を維持する事には成功しました
さて、前置きが長くなりましたが
新設される投資信託です
前述した通り、楽天オルカンも楽天S&P500も、信託報酬はeMAXIS Slimシリーズと同額です
これではeMAXIS Slimシリーズのブランド価値を脅かす可能性も無く、個人投資家としても、わざわざeMAXIS Slimシリーズに投資している資金を引っ越す価値もありません
そして、ブランド価値で言えば、楽天の投資信託を運用する楽天投信投資顧問に関しては、低コスト投資信託戦争に一切参戦せずにいた過去があります(楽天バンガードシリーズの楽天VTや楽天VTIは信託報酬を下げませんでした)
今回新設する楽天オルカンと楽天S&P500に関しても、それぞれeMAXIS Slimが値下げをしたとしても追随するとは思えません
他社と全く同じ物を他社と同じ値段で売ろうとする魂胆が分かりません
これでは売れる未来が見えません
初お目見えの時くらい単独最安で登場して欲しかったものです