自動車のタイヤの交換のサイン『溝が無くなったら』は間違い?

初めまして

melloと申します

 

今回のテーマは『タイヤの溝』です

 

結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます

 

本来、タイヤの溝は無ければ無いほど地面との設置面積が増えて転がり抵抗(μミュー)が増えるので、ブレーキの利きは良くなる

それとは別件で、経年劣化のサインとして溝の減りで交換時期を指示しているだけである

 

内容が気になった方は引き続きご覧ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今回は自動車のタイヤに関してです

自動車を長年乗り続けている人であれば、タイヤの交換時期について「スリップサインが出たら」というのは聞いた事があると思います

この事から、あまり自動車に詳しく無い人からすると「タイヤの溝が無くなったらブレーキが利かなくなるんだ」という勘違いを生む事があります

自動車レースの最高峰であるF1などで使われるタイヤというのは『スリックタイヤ』と呼ばれる溝の無い物であるからも、溝というは無ければ無いほどブレーキには都合が良いという事がお分かり頂けると思います

では、公道に於いてスリックタイヤを履く事が最も安全なのかと言うと、そうでもありません

そもそも、タイヤの溝というのは、雨天或いは地面が濡れている場合に、タイヤと路面の間にある水の排出の為にあります

レースに於いては、雨が降ってきたらレースを中止するか、ピットに寄って数秒程度で溝の有るタイヤに変えられるので問題ありませんが、一般公道上を走行している一般人にとってはそんな風には行きません(そんな事したら一般道は路上駐車だらけになります)

なので、一般公道に於いてスリックタイヤを履いた車で走行する事は法律で禁止されています

一般公道で許されているのは『セミスリックタイヤ』と呼ばれる、簡易ではあるけれどパターン(溝の形)が彫ってある物なのです

スリックタイヤと見比べて貰えば一目瞭然ですが、セミスリックタイヤには一応排水の為の溝が彫られてあります

私事ではありますが、私が以前自動車好きで、同じ自動車好きの仲間とつるんでいた時に友人の友人に「買ったばかりの新品タイヤをヤスリで削って出来るだけ溝を減らしてμを高めるんだ」と言っていたツワモノが居ました

実際の効果の程は、良く分かりませんし、メーカーとしてはそういう風に使われると考えておりませんので、性能が正しく発揮されるのかは不明です

 

なるほど、では、なぜこれほど一般的に「タイヤの溝が無くなると危険」という喧伝がなされているのか?

タイヤ屋のポジショントークなのか?

その答えはYESであり、NOです

そもそも、法律上、上記の様なセミスリックタイヤが一般公道上を走る事が許されているのであれば、一般タイヤの溝がちょっと無くなった位ではすぐさま危険になる訳ではありません

ですが、それとは別件でタイヤの経年劣化の観点があります

ご自身で保有する自動車に付いているタイヤの製造年月日というのは気にした事があるでしょうか?

タイヤメーカー世界一であるブリヂストンの会社HPに説明が載っていましたので引用しておきます

faq.bridgestone.com

タイヤというのは、どこまで行ってもゴム製品であり、ゴム製品である以上、数十年・数百年同じ機能を持ち続けるという事は不可能であり、どうしたって新品と中古品では新品の機能に勝てません

タイヤの交換のサインとして、溝と同じ様に見られる『ヒビ割れ』の具合も、経年劣化の指標の一つとして見られます

タイヤというのは案外シビアな物で、同じ時間が経過したにしても、高温地域で放置されていたのか?低温地域で放置されていたのか?

又は、多湿地域で放置されていたのか?乾燥地域で放置されていたのか?

なども、タイヤの経年劣化の度合いを押し進めるのか食い留めるのかが変わってきます

当然、高温乾燥の状態で長時間放置されているとタイヤの中に含まれる成分が乾燥化してタイヤのヒビ割れが発生します

どんな万全の状態であっても、製造年月日から時間が立てばヒビ割れというのは発生しますが、その時間が劣悪な環境下に置かれていた場合はさらに早くなるという事です

 

まとめると

本来、タイヤの溝は無ければ無いほど地面との設置面積が増えて転がり抵抗(μミュー)が増えるので、ブレーキの利きは良くなる

それとは別件で、経年劣化のサインとして溝の減りで交換時期を指示しているだけである

というお話でした