新作ゲーム『ウツロマユ』をプレイした所感

初めまして

melloと申します

 

今回のテーマは『ウツロマユ』です

本記事はPCゲーム『ウツロマユ』のネタバレが多分に含まれています

未プレイであり、当該ゲームをプレイする気がある方は本記事を読まない事をお勧めします

ネタバレが気にならない・既プレイ・当該ゲームをプレイする気がない方のみ、引き続きご覧ください

 

 

結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます

 

間違いなく傑作と言えるアクションホラーゲームです

 

内容が気になった方は引き続きご覧ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今回はSteamにて販売されているPCゲーム『ウツロマユ』についてです

ウツロマユは、NAYUTA STUDIOという、メンバー二人で行っているゲームサークルです

2023年10月09日に無料版がSteamにて発表され、2023年12月07日に正式版が改めてSteamにて1480円で販売が開始されました

 

まず、メンバーが二人で作っているとは思えない程の映像クオリティの高さが見られます

日本の田舎の田園風景での描写がものすごく細かく美しく描かれています

また、画面酔い防止機能なども装備されており、ゲーム慣れしていない方向けへの配慮もなされています

 

さて、ストーリーですが、細かい内容に関しては他サイトの方にお任せして割愛するとしまして、私は登場人物達の心の内について考えていきたいと思います

 

私が少し理解が難しいのが、綾乃の絹への執着心についてです

ゲーム中の所々にある手記から、姉である綾乃は勝ち気な妹である絹に対して普段から弱気な態度だった事が分かります

それ単体は特に何も思いませんし、そういう姉妹もあるのかなとも思います

ただ、紅葉狩りに行った際に綾乃が絹に置き去りにされた時に繭姫と接触したのだと思われますが、その後も綾乃は絹の事だけは覚えていましたし、忘れる事を恐怖していました

親が決めた見合い相手への恋情の思いは無かったとは言え、その後に繭姫に自身の記憶を貪り食われている時でも絹の記憶だけは死守したいと手記にもかいてあります

絹の方はまだ理解は出来るのです

おそらく、罪悪感による衝動で恋情を抱いた佐一よりも尊い存在であるという自己暗示を繰り返した結果、綾乃への執着心が生まれた物と思われます

佐一に関しても、一度は恋情を抱いた綾乃が醜い姿になったのだとしても、その化け物の元の姿が忘れられず今も情が残っている物と思われます

ですが、綾乃の絹への執着心は理解しがたい物があります

私には判りかねますが、もしかしたら、所謂LGBTQの人だったのかもしれません

そう考えるとしっくり来ます

 

あと、佐一と結の関係も少し理解が難しいです

結は幼少に、酷い喉の渇きに耐えかねてカナリアの生き血を飲んでしまったという手記がありました

その時に、父である佐一から受け継いだ性分だとして、結が納得している事です

普通であれば『血を欲しがる性分とは何ぞや?』と原因を探りたくなると思います

幼少の結であれば、それは一時期納得も出来るのかもしれません

ただ、陣場栄治という自身の伴侶を得て、湊という息子を授かり、自身のルーツを探らずに居られるのでしょうか?

 

ですが、記事を書いて居て自分で考え直してみると、もしかしたら父である佐一に止められたり遠慮していたのかもしれません

その父も亡くなり、改めて自身のルーツを探るために母である絹に真相を聞きに行ったのかもしれません

 

佐一からすれば、自分とは血の繋がらないとは言え、綾乃の子であるという事で、自身の宝であるとまで言っていますから、結の心を繋ぎ留める為に動物の血を飲む生活を受け入れていたと考えて何ら不自然は無い様に思います

 

次に、綾乃と絹の父である久兵衛に関してです

久兵衛は基本的には特に思う所はありません

ただ、タイトルにもある『ウツロ』を手に入れたとて、久兵衛は綾乃にウツロを飲ませませんでした

エンディングを知っている側からすると、それは英断であったと思われますし、ウツロを手に入れる過程で久兵衛自身も分かったのでしょう

姿形は綾乃に戻るとしても、綾乃の心の中に僅かに残る綾乃自身を消してしまう物である事を

 

ゲームの最後のシーンに、自身も病気に苛まれ、町もダム建設によって水に沈むという流れを変えられないと悟った絹は、綾乃と心中しようとして、綾乃に毒入りの血を飲ませた後、自身も首を吊ったものの、毒では死ねなかった綾乃は絹をロープから下ろして、あの独房から絹を背負って玄関まで連れて行ったと思われますが、独房近くには例の護符が大量に張り付けてあり、そのほとんど全てが光を失っていました

ゲーム中、光る護符に何度も撃退される綾乃の姿を思うと、あの独房から玄関まで絹を運ぶのに何度も何度も護符による苦しみを乗り越えた綾乃の姿を想うと心が苦しくなります(メタ的に考えて「じゃあ何で屋敷中の錠が掛かったままだったんだ」というのは言いっこ無しです)

 

 

総評すると、近年稀に見る傑作ゲームであると思います

本ゲームはSteamにて1480円という値段で販売されています

散々な駄作を垂れ流す昨今の有名ゲーム会社のクソゲーをフルプライスで買うよりも間違いなくコストパフォーマンスに優れていると思われます

というお話でした