自社株買いは手放しで喜べる事では無い

初めまして

melloと申します

 

今回はテーマは自社株買いについてです

 

結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます

 

経営陣が、なぜ自社株買いをしたのかを知る必要がある

 

内容が気になった方は引き続きご覧ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今回のテーマは自社株買いです

株式投資をしている人なら喜ばしい言葉かと思います

企業が、企業の預金を使い(米国では借金でも可)、企業の株式を市場、又は大株主から買い取る事を言います

買い取った株式は消却するか、株価が上がった時に市場で売るか、別企業と業務提携や買収を行う時に交換したりします

 

株式を買い取る場合、市場から買い取るなら基本的には市場は買い旺盛となり株価が上がります

大株主から買い取るにしても、売ろうとしている株式を買い取る訳ですから売り旺盛になる阻害をしているという意味で株価が上がりやすくなります

また、その後の消却を期待して割安に思えるので買いが集まりやすくもなります

 

買い取った株式の最も(既存株主にとって)望ましい処理方法は消却ではありますが、株価が上がった時に市場で売る事も悪いことではありません

当該株式をトレード(活発に売買を繰り返す株主)する人にとっては企業の思惑一つで株価を操作されて大きく損失を出す可能性があります(反対に大きい利益を出す可能性もあります)ので、あまり歓迎はされませんが

長期保有をする株主からしたら、企業の製品やサービスを介することなく企業のお金が増える事になるので(あくまでボーナス的な収入ですが)企業の財務的にプラスになる為です

ただ、市場での売却を行う場合、経営陣が「今の弊社の株価は高すぎる」と判断している、又はそういったメッセージを市場に与えてしまう為、その後の株価はボックス基調、又は下落基調になりやすいです(長期保有者や、今後新しく株式を購入しようと考えている人からしたらお得です)

 

少し考え物なのは、業務提携や企業買収の時に交換する原資として株式を利用する事です

当該企業が成長路線であり、技術供与を受ける場合や販路拡大に合理的な理由があるのであれば問題はないのかも知れませんが、ただ決算の数字を見かけ上、良いものにしたいだけの株式交換もあり得ます

 

顕著なのはソフトバンク(9434)です

ソフトバンクは、親会社にソフトバンクGという持株会者があり、ソフトバンク傘下にもyahoo・LINE・paypayなどがあります

ソフトバンク自身は通信会社であり、傘下企業とのシナジーも期待されるだけに問題のない買収に思えます

ただ連結子会社化するタイミングが恣意的なのではないか?というお話です

有名なのがpaypayです

paypayはQRコード決済圏ではNO.1のユーザーを誇っています

しかし、paypayが覇権を握ったのはひとえにバラマキを行ったからです

『〇〇%還元』という宣伝文句を武器にしていたのは記憶に新しいかと思います

なので、paypayは当然ですが単一の企業として見た時は未だに一回も黒字決算を出した事はありません

ソフトバンク傘下となってしばらくの後、ソフトバンク事態の決算が悪くなった時に「paypayを完全子会社化した事によるpaypayの資産価値をソフトバンクとして計上しました」と発表し、ソフトバンクは連続増収・連続増益の決算を発表する事ができました

 

ソフトバンクは成長企業であり、業界的にシナジーの有る企業を買収しているので問題がないのかも知れません

ただ、衰退産業であり、シナジーのない買収を繰り返している企業は問題です

株主のお金を勝手に使っているだけとも言えます

 

さて、もっと悪い例があります

日本ではあまりメジャーではありませんが、米国では良く見る状態ですが

経営陣の給料を低く設定し、代わりにオプションにて株式を付与するという形態です

経営陣の給料が高いと企業の決算として多大な人件費を計上しなくてはなりません

しかし、株式を付与するとなると決算上は計上しなくて済みます

なので合法的に実際以上の(粉飾決算染みた)決算の数字を良く発表する事が出来ます

さらに付与された株式は経営陣の判断により、企業のお金を使って自社株買いする事によりさらに価格が上がり、好きな時に現金化する事が出来るのです

まさに、株主のお金を勝手に自分の懐に入れる行為です

日本に於いてはまだ、こういったオプション取引信用取引などは忌避される傾向にあるので、風潮的に嫌がられる事が多いのですが

株式市場がもっと過熱を極めて、株主や経営陣が『もっと決算の数字が良いもの』を追い求める風潮が出来てしまったら、いつこんな風になるのか分かりません

単純に決算が良いという事や、自社株買いは割安目安であるという様な事を追い求めてしまうと、いつか手痛いしっぺ返しを食らうかもしれません

 

最後に世界一の投資家 ウォーレン・バフェットの名言を一つご紹介したいと思います

 

曰く

 

私は、ほど良い会社をとびきり安く買うよりも、とびきり良い会社をほど良い価格で買いたい