コモディティ投資は劣化資産

初めまして

melloと申します

 

今回はコモディティ投資についてです

 

結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます

 

コモディティ投資は現金と同じく、時間と共に減損する

 

気になった方は引き続きご覧ください

 

 

 

 

 

 

さて、今回はコモディティ投資についてです

 

コモディティ投資とは現物資産の事です

物そのものに価値がある物に投資するという事ですね

一般的には商品先物市場で取引されます

商品としては、原油や貴金属や穀物などといった物に投資します

 

基本的には物価(インフレ)と比例します

今年のいろんな企業の決算説明資料によく登場する「コストプッシュ型のインフレ」というのが顕著な例です

例えば、豆乳のメーカーがあったとして、大豆の値段が上がれば原材料費が上がり、企業としては売上が上がったとしても利益が下がるケースが多数見られます

ここに、豆乳メーカーの技術力は考慮されません

いくら美味しい豆乳を作るメーカーだとしても急に販売値段が倍になったら買う人は激減するでしょう(日本では特にこの傾向が顕著です。アメリカでは比較的値上げが受け入れられています)

だとしたら、豆乳メーカーに投資するのではなく大豆そのものに投資したい、というのがコモディティ投資になります

当然、大豆を作っている農家が株式を公開している訳ではありませんから、大きい括りで農産物ETFとして上場されている事が多いです

東証で言えば

1687 アグリETF

1688 穀物ETF

1695 小麦ETF

1696 コーンETF

1697 大豆ETF

などですね

 

昨今、ロシア・ウクライナ情勢もあり、現物資産であるコモディティ投資も注目されています

戦場で戦闘中に飢餓状態の時に札束を渡されても困りますからね

 

さて、現物資産という事で安全と思われるかもしれません

しかし、物である以上、劣化し棄損していくのです

 

スーパーでマグロの切り身を1パック1000円で買いました

そのタイミングでは1000円という現金と切り身の1パックの価値が釣り合っている状態という事ですね

しかし、そのまま1週間放置して、切り身から異臭がし出しました

それでも1000円の価値があるでしょうか?

そのまま1か月放置して、切り身が腐敗し出しました

それでも1000円の価値があるでしょうか?

 

他にも、賃貸を探すときに

同じ家賃・同じ街・同じ間取り・同じ材質(鉄筋・木造など)・同じ住人(分かりやすく、両方ともまだ一人も住んでいないとしましょう)・同じ管理会社・同じ駐車駐輪場(分かりやすく、共同の駐車駐輪場としましょう)のマンションが隣接している時

築年数が片一方が20年、もう片方が2年であったら築2年のマンションを選ぶと思います

 

つまり、現物資産は売りに出された瞬間がその物の価値のMAXの状態であり、基本的には値上がりする事はない商品という事になります

実際にはETF等で保有しますので、腐ったり悪くなったりすることはありませんが、商品の取引が活発であるという事がコモディティ投資を成り立たせる要素の一つではあります

 

また、先ほどの豆乳メーカーを例に出しますが

企業というのは常に商品の改善を行います

その改善の方向性は様々ですが、美味しさの向上・コストカット・ブランド価値向上などなど例に挙げきれないほどです

なぜなら、企業は株主の利益を最大化しなければならないからです

そしてその内のコストカットに、「大豆の使用量を減らしつつ、味を維持する」という方向の改善もあります

そしてそれが成功すると、大豆の使用量が減ります

そうすると大豆農家が出荷する大豆の量が一部ダブつきます

ダブついたという事は安売りしないと売れません

結果、大豆の値段が下がります

そうなると大豆ETFの価格も下がります

 

と、あくまで一例ですが価格の上下の原因を書いてみました

 

その他のコモディティに関しても同様で、何が原因で価格の上下したのかが分かりづらいという側面があります

そもそも、コモディティ相場には株式のようにPERやPBRなどの価格の指標が存在しません

つまり、参入のタイミングが図りづらいのです

今が割高なのか割安なのか判断がつかず、株式の様に未来へ向かうに連れて右肩上がりに上がるというロジックも存在しません

 

明日、明後日と未来には劣化する商品に投資する

これは即ち、投機です

今は現物資産の需要が高いはずだから価格があがるはずだ

そういったタイミングを見計らうギャンブル…投機ですね

 

私が投機に対して否定的である事は以前の記事でもお伝えした通りです

以前の記事にも登場したジェレミー・シーゲル教授の画像をご覧ください

 

ゴールド(金)の価値は200年かけても3.21倍にしかなっていません

しかも、集計の終了期間をほんの10年程短くした場合は、ほぼ1倍です

つまり、未来へ向かって価値が高まっていく物へ投資するのに比べて、金融投資としては明らかに失敗しているのです

 

ゴールドに関しては、その性質上、価値としては劣化はしません(腐ったり)

その劣化しないゴールドですら価格の上昇が見込めない以上、価値が劣化するその他コモディティ投資が成功するとは思えません