初めまして
melloと申します
今回はESG投資についてです
結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます
テーマ型アクティブ投資は奨励されるべきだが、決してメインの投資先にしてはいけない
内容が気になった方は引き続きご覧ください
さて、今回はテーマ型アクティブ投資についてです
ここ数年は、2015年に国連にて採択されたSDGsと呼ばれる、世界を良い方向へと変革するという目標を元に、環境問題・人権問題・文明問題についての目標が定められ、各国がその目標に対してどのような取り組みをしているか等が、外交的・喧伝的なメッセージとなっていました
その流れを汲んでESG投資というテーマが隆盛し、ESG投資に適格と判断されれば大量の資金がファンドを通じて流れ込むという流れがありました
ESG投資とは、お金を稼ぐという事だけに特化して地球環境や人権などに無頓着な企業に対しては、いくら魅力的な投資先だったとしても投資をしない
逆に、今現在はお金を稼ぐ能力が低いけれど、その企業が発展すれば地球に、又は人類に優しい世界になると考えられる企業に積極的に投資をしようというテーマです
SDGsやESG投資というのは耳障りが良く、積極的に採用していれば企業としてもイメージアップに繋がり、経営が上手くいっていなくともファンドを通じて資金が流れ込んでくる事が予想されましたので、多くの企業が参加していきました
そうしていく内に、SDGsやESG投資に無頓着な企業は、守銭奴的な目で見られる様になり、同調圧力的にさらに多くの企業が参加する事になったのです
特に、業種的にESGに適格になり辛い企業はイメージの悪化を恐れ、過剰に配慮していた様に思います(たばこ・アルコール・石油・武器製造・ギャンブル等)
この美辞麗句な流行りは最早、流行りではなく新世代の常識となりかけていた所にストップをかけたのは、やはりロシア・ウクライナ戦争です
ロシアの蛮行に対し世界は経済制裁を科しましたが、反対にロシアは天然資源の国ですから、一切の天然資源の流出を止めることで西側諸国としては資源高がボディーブローの様にジワジワと効いてきました
2020年 中国・武漢から発生した、新型コロナウイルスによる世界経済の歪みも手伝って世界経済は大いに混乱を極めました
米国内にて石油の上流工程(掘り出し・精製)から下流工程(輸送・販売)を一手に行う企業であるエクソンモービル(ティッカーXOM)という企業は、コロナ禍に於いて世界経済の急速な減速から、70ドル~80ドルの安定した株価から、30ドル程度まで急落し、その後70ドルまで戻るのに2年ほどかかりました
2年で元値に戻るのが分かっていれば余裕を持ってホールド、余裕があれば買い増しも出来ると思いますが
当時はまさにパニック状態で、競合他社であるオランダのロイヤルダッジシェル(ティッカーRDSB)は70年以上減配しなかった配当を2020年に減配に至りました
その混迷状態は渦中にて投資を行っていた方は覚えがあると思います
石油業は、今はまだ、経済が動いている限り絶対に必要な資源です
そう考えられていたからこそ、多くの資金が集まり、投資主や経営者はあぐらをかいていました
しかしそこに世界経済がストップする事態が起こったのです
当然、恐慌状態となり投げ売りが投げ売りを呼び上記の株価の様に悲惨な状態となったのです
そこにロシアウクライナ戦争です
経済制裁により、ロシアの潤沢な天然資源が世界に供給されることは無くなりました
そうすると強くなるのはロシア外の天然資源を持つ企業です
上記のエクソンモービルは70ドルだった株価がコロナ禍により30ドルまで下落しロシアウクライナ戦争による経済制裁にて株価は現在120ドル(2023.09.28日現在)まで急騰しました
その儲けぶりに、時の大統領バイデン氏が「エクソンモービルは儲けすぎだ」と発言する程です
コロナ禍の苦境の時に何も助けてくれなかったのにも関わらず、経済制裁によって儲けたらケチをつけてくるという嫌らしさです
そもそも、バイデン大統領は民主党出身です
民主党は大企業嫌いですからケチを付けるのは当然かも知れません
トランプ元大統領からバイデン大統領へと政権が変わった時に、まず行ったのが大企業にたいする法人税の大幅増税でしたから、政治姿勢は発足当時から変わっていませんでした
さて、上記の様にESG投資とは、理想論を元に行動するドリーマーの動きでしたが、現実は経済的に余裕が無くなれば、皆そんな理想論より明日のパン、という事で実際に儲かる企業にお金が集まった訳で
つまりはESG投資は夢物語となった訳ですが
我々、インデックス投資家としては、基本的にアクティブ投資が隆盛することを歓迎しなければなりません
アクティブ投資家が株式を頻繁に売買する度に、企業の内在価値と株価は近づいていくはずです
そして、企業の内在価値は時間が経てば経つほど(基本的には)右肩上がりになるはずです
なので、インデックス投資を通して投資範囲の全企業に対し、時価総額加重平均で早期から保有する事は、インデックス投資家の株式投資に於ける勝率の向上に寄与するのです