ボーグルですら全世界株式投資信託の作成には躊躇した

初めまして

melloと申します

 

今回のテーマは『損失への恐怖』です

 

結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます

 

感謝して低コストの全世界株式に投資しましょう

 

内容が気になった方は引き続きご覧ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今回は全世界株式に対する恐怖についてです

かの有名な世界一の投資家 ウォーレン・バフェットの名言にこんなものがあります

 

ルールその1、絶対に損をしない事

ルールその2、その1を絶対に忘れない事

 

なんだかこのフレーズを聞くと私は、映画『ファイト・クラブ』を思い出します

ルールその1、ファイトクラブの事は口にするな

ルールその2、絶対にファイトクラブの事は口にするな

話を戻します

つまりは、バフェットは極端に損失を嫌っていた事になります

もし保有銘柄の株価が下落し、含み損になったとしても、そこからどうやって損で無くすかという事を考えます

そこで考え出された作戦が長期保有です

ただし、何も考えずにただ株式を長期保有するだけというのでは株式投資一年生と変わりません

バフェットは絶対に損をしない為に、株式の購入前に徹底的に銘柄の内情を調べます

利益などの数字から、世間からの評価などのブランド力、そして業界構造的に儲かる仕組みであるかなどです

そうして、絶対に儲かると確信した銘柄に巨額を投資し、万が一株価が下落し含み損となった時でも「この会社の内在価値的に数年で元値に戻るはず、それまでは配当金を貰ってゆっくり長期投資だ」と悠長に構えていられる物にだけ投資をするという考え方です

 

インデックスファンドの父 ジャック・ボーグルは1975年にバンガードを創立した時から基本姿勢は変わりません

それは、バンガード・ジャパンがボーグルの理念を簡単に言い表した言葉に表れています

『長期・分散・低コスト』です

その姿勢が評価され、世界的にインデックスファンドが流行し多くの機関投資家個人投資家の主軸の投資先となりました

こちらも、株価が下がっている銘柄のマイナス分を株価の上がっている銘柄のプラス分で打ち消す事を考えて作られています

つまり、ボーグルも前述の名言の様に、『絶対に損をしない』というルールにバフェットとは違う形で辿り着いた人という事です

 

バンガードの創立が1975年

バンガードのインデックスファンドの販売開始が1976年(S&P500)

先進国株式インデックスファンドの販売開始が1999年

となります

 

バンガードの理念通り、分散投資の観点から考えると単純な銘柄数もそうですが、投資対象国を増やす事も分散投資と成り得ますので、より投資対象の多い先進国インデックスの販売開始年度が20年以上経っているのは、ボーグルにしては少し動きが遅いように感じます

なぜこれほど動きが遅かったのでしょうか?

答えは

ボーグルは日本の株式が異常なバブルであると感じていたからです

 

年代を見ていただけたらお分かり頂ける通り、当時日本はバブルの真っただ中です

ボーグルからしたら、日本という外国が大バブルの中、時価総額加重平均で先進国の株式を購入するファンドを作った場合、その内訳は半分以上が日本の株式になってしまいます

ボーグルは、明らかに異常なバブルである日本の株式を組み込んだインデックスファンドを顧客に販売して、その後に確実に訪れるであろうバブル崩壊に伴う株価の暴落によって、顧客からの信頼や、バンガード…或いはインデックスファンドの名前に傷が付く事、延いては顧客に損失を被らせる事を酷く懸念していたと考えられます

 

バンガードは、2020年日本支部であるバンガードジャパンを閉鎖しました

バンガードジャパンは2000年に日本支部が発足し、日本国内にてインデックスファンドやバンガード社の喧伝や広報をしていました

結局20年間の宣伝で幕を閉じたバンガードジャパンでしたが、その効果は如実に表れています

私を始め、多くの投信ブロガーや著名人がバンガードを激推ししております

そうした多大なブランド力のあるバンガードですが、日本に於いて直販などはされいません

低コストに拘るバンガードであるなら、構造的に証券会社や信託銀行を介さない直販である方が、より低コストに出来る気がしますが直販はされないまま日本を去りました

それは、日本に於ける低コスト投資信託が、行く所まで行ってしまっているのを見たからではないでしょうか?

現在日本におけるベストバイ投資信託と言えばeMAXIS Slimシリーズですね

信託報酬はS&P500が0.09372%、全世界が0.05775%です

バンガードのETFであるVOO(S&P500)の経費率が0.03%、VT(全世界)の経費率が0.07%です

もう殆ど差が無く、今更日本市場に参加しても旨味が無いと判断したのでしょう

なにより、楽天バンガードファンドやSBI・Vシリーズがあり、新たに販売チャンネルを設立するよりも、楽天やSBIに頑張ってもらう方が得策であると考えたと思われます

『低コストのバンガード』の金看板を汚す可能性のある事は出来ないという事でしょう

それほど日本の投資信託に於ける低コスト化は激しいという事です

バンガードはつくづく日本という存在に振り回されている気がしますね

 

そんなバンガードが恐れる程、日本の投資信託の市場は成熟しきったと言えるのでしょう

日本の投資信託市場は成熟しきって、全世界株式インデックスに容易に、低コストでアクセスできる事に感謝し、投資をしましょう

というお話でした