効率的市場仮説は正しいのか?

初めまして

melloと申します

 

今回は数十年前、金融界隈の常識として経済学部を擁する大学で広く講義されていた効率的市場仮説について私見を述べたいと思います

 

結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます

 

効率的市場仮説は概ね正しいが、機能しない時もある

 

内容が気になった方は引き続きご覧ください

 

 

 

 

 

さて、今回は投資に関する情報収集をしている方は聞いた事があるであろうお話です

 

例によってwikiから引用

 

効率的市場仮説とは

効率的市場仮説とは、金融経済学において市場は常に完全に情報的に効率的であるとする仮説。ここで言う情報的に効率的であるとは、金融市場における金融商品の価格がその商品の価値を決定づける情報を反映しているという意味である。効率的市場仮説に従えば、株式取引は株式を常に公正な価格で取引していて、投資家が株式を安く買うことも高く売ることもできないということになる。すると、銘柄の選定や市場のタイミングから市場の平均以上の実績を得るのは不可能である。

 

引用終わり

 

との事

この学説の起こりは1960年代と古く、他にランダムウォーク理論などと並列に語られる事が多く学術的に正しいとされてきました

 

簡単に言えば、株式投資において、情報が発表された瞬間に株価に影響し、情報が発表される前から当該株式を保有している人物だけが損益を得る事ができるのであって、情報を得た後に売買をすることで得る利益は、市場平均を超過することは不可能である

という事です

 

この仮説は長らく正しいとされて、大学などでも学生や受講生相手に広く講義をされてきました

 

しかし、どうでしょう?

50年以上経ち、未だに決定的に正しいとする結論は出ていません

そもそも学術上、無味乾燥なものを対象にしているのではなく、株式市場という人の心理や欲望や金銭が影響するものを対象としているため

どうしてもこうあって欲しいとする人の願いや思いが検証に乗って来ます

 

ポアンカレ予想フェルマー予想リーマン予想やホッジ予想といった

明確な答えがある、又は明確な答えがない

と証明できる問題でもないのかもしれません(斉一性原理)

 

この違いは、ひとえに株式投資における株価…つまり価格だけから効率的であるかどうかという議論に無理があると思われるからです

同じ価格であっても、買いたいと思う人も居れば買いたくないと思う人もいて

買いたくても金銭的余裕がなく買えないだったり

買いたくないと思っていた人がある日突然買いたいと思ったり

そしてそれらの全ての人の気持ちを全ての人が遅延なく共有出来ている事だったり

 

価格一つを取って、効率的である効率的でないと断ずる事の不可能性は著しく高く感じます

 

また、今回は学術的に正しいのかという前提なので

粉飾決算インサイダー取引TOBなどの事は省いていますが、これらを混ぜるとさらに複雑に絡み合い、とある事象が何によって引き起こされたのかなどは証明不可能に近づくと思われます

 

 

そもそも、市場は効率的であるか効率的でないか?

という設問自体が間違っているのではないか?とも思います

 

昨日の記事でも似たようなお話をさせて頂いたかと思いますが

物事を0・100で判断するのは危険かと思います

今回のお話で言うと、とある時期の市場は効率性が比較的高かったとか、とある時期の市場は効率性が比較的低かったとか

そういった話し方はできるかと思います

 

全ての情報が株価に織り込まれている事も、情報が一切株価に織り込まれていない事もあり

また、一部織り込まれている情報もあれば、一部織り込まれていない情報もある

また、情報が織り込まれるまでの時間が長い時もあれば短い時もある

 

そういう風に考えると、効率的市場仮説は概ね正しいと思われる

という表現が正確な表現なのではないでしょうか?

 

さて、では我々一般個人投資家株式投資をする際に留意する事とはなにか?

それは、「きっと市場は効率的に運用されているはずだ」とある程度の信頼をし、毎日発表される情報を元に移ろいゆく株価の乱高下を耐えながら、情報が発表される前から、じっと株式を保有し続けることです

 

ここで、世界一の投資家 ウォーレン・バフェットの株主へ当てた手紙から一部引用させて頂きます

 

知的ゲームにおいては、それがブリッジやチェス、あるいは投資銘柄の選択であれ、「考えることは時間の無駄だ」と敵が教え込まれることほどありがたいことはないのです

 

この言葉は我々インデックス投資家には耳に痛い言葉です

インデックスを信奉し、全てをインデックスに捧げる行為は、もし間違ったインデックスを信奉していた場合、遠い未来に大きなしっぺ返しを食らうことになるかもしれない

という事です

それでも、我々インデックス投資家は銘柄選定をする能力が無い以上、インデックス投資をするしか無い訳でありますが、それが正しいインデックスに沿うものであるのかという疑問は度々思い出して検証するべきなのかもしれません