初めまして
melloと申します
今回のテーマは『映画やドラマは芸術足り得るのか?』です
本記事はアメリカドラマ『THE MENTALIST/メンタリスト』のネタバレが多分に含まれています
未視聴であり、当該ドラマを視聴する気がある方は本記事を読まない事をお勧めします
ネタバレが気にならない・視聴済み・当該ドラマを視聴する気がない方のみ、引き続きご覧ください
結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます
お金が目的で働いている人が数多くの居る以上、出来上がるものは俗な物である
内容が気になった方は引き続きご覧ください
さて、今回は映画やドラマは芸術になるのか否かというお話です
私は10年以上前からアメリカドラマが好きな人間です
おそらく一番初めに見たアメリカドラマはスーパーナチュラル、その次がthe O.C、その次がトゥルー・コーリング…と色々と見ました
当時はネットフリックスやhuluといった便利なサービスは無かったので(あったとしてもおそらく日本ではサービスを提供していなかったのではないかと思われます)、GEOやTUTAYAなどのレンタルDVDサービスのお店の常連でした
と言っても、一番通ったお店は個人経営のレンタルCD・DVD店でした
一番通った理由としては、住んでた家から一番近かったからです
正直、ほとんどアダルト系のDVDのレンタルで売り上げを上げているような小さなお店でそれほど繁盛している様には見えませんでした
その後、しばらくしてそのお店は潰れました
なので、以前ほどアメリカドラマを見る機会が減った後、しばらくしてネットフリックスやhuluやアマプラといった映像ストリーミングサービスに出会い、再びアメリカドラマを少しづつ見る様になり、新しく面白いアメリカドラマに出会いました
それが『THE MENTALIST/メンタリスト』という作品でした
それなりに前の作品ですから、内容を知っている人は多くいるでしょうし、初回放送はアメリカで1560万人が視聴したという事ですから、アメリカでも大人気のドラマであったと言えます
例によって、物語の内容やあらすじに関しては割愛させて頂くとしまして、私個人が気になった…というより、気に食わない所を書かせて頂きます
この物語のキモはレッド・ジョンという正体不明の殺人鬼にかかっています
その正体が物語の後半に明らかになるのですが、これがとんでもない肩すかしを食らう人物でした
正直、「誰こいつ」と思って仕方がない様な小物です
ブレッド・スタイルズという信者数が数百万人もいるカルト集団の教祖
ゲイル・バートラムという物語の最初から主人公一行の上司として行動をつぶさに観察出来た人間
ブレッド・パートリッジという1話から殺人現場にずっといる鑑識官
など、錚々たる面々が容疑者として居ながら「なぜこいつをレッド・ジョンにしたの?」と言いたくなる人物がレッド・ジョンでした
ストーリーをキチンと成立させるのであれば、誰がどう考えてもレッド・ジョンはパートリッジにすべきでした
邪推しますが、本当はドラマの立ち上げ初期はパートリッジがレッド・ジョンという設定だったのではないかと思われます
それが監督が交代して方針転換したのか、視聴者にパートリッジがレッド・ジョンだとバレてSNSなどで拡散された結果「何とか視聴者を驚かせる人間をレッド・ジョンだったという事にしたい」という意思があったのではないかと思われます
レッド・ジョンがパートリッジであったのなら美しいストーリーだったのに…
ここから考えられる結果として『やはり、映画やドラマは芸術には成り得ない』という事です
以前にも似た内容の記事を書いた覚えがあります
映画やドラマといった映像作品には、関わる人間が莫大な数に上ります
その莫大な人間の人件費を捻出するのはスポンサーです
当然、スポンサーの意向は強く反映される事になります
そして、スポンサーが興味を持つのはその作品の『視聴率』です
当たり前ですが、視聴率が高い所に広告を打つのは効果的ですから、制作陣に『高視聴率』を要求します
ここが問題なのです
刑事ドラマに於いて、犯人の正体が分かりきっているのにその後もダラダラと視聴を続けてくれる人というのは、そう多くは居ません
だからこそ上記にも書いた『意外性のある真犯人』を作り出す事で、一度離れた視聴者をもう一度ドラマを見てもらいたかったのだと思われます
ですが、そうやって意図的に捻じ曲げられたストーリーは美しくはありません
芸術としてはゼロ点です
ただし、美しいストーリーなんだから納得しろとスポンサーに言える訳がありませんし納得するはずがありません、スポンサーにそっぽを向かれたら、そこで働く膨大な数の人間は路頭に迷う事になりかねません
悲しい事に映像作品には、お金が目的で働いている人が数多くの居る以上、出来上がるものは俗な物であるという、どうしようもなく変えようがない事実があるのです
というお話でした