久しぶりに映画『デスノート』を見た感想

先日、アマゾンプライムにて映画版『デスノート』が配信されていたので、公開当時に見た記憶があるが、改めて見直してみようと思って見てみた

感想から言うと『ただの有名芸能人を使った大コスプレ大会だった』というのが正直な感想です

デスノートは、2003年から少年ジャンプに連載していた怪物(ファンの多さ的な意味合いで)漫画作品です

当時、文字通り社会現象的人気を博した作品であり、多くのクリエイターや作者達にも多大な影響を与えました

作者は大場つぐみという名前で、その後も『バクマン』『プラチナエンド』などの有名作品を輩出しております

デスノートは、漫画・映画・ドラマ・小説・舞台など、多くの媒体に派生し、その人気ぶりが伺えます

私が見た映画『デスノート』は、映画シリーズの第一弾であり、その後第四弾まで制作されております

第一弾の公開年月日は2006年であり、ジャンプ連載開始から僅か3年というスピード感を以って映画化された作品であり、多くのファンにとって作品愛が冷めやらぬ中、公開されました

尤も、映画という媒体である都合上、作品のストーリーは大幅に改変され、原作を知らない人にも分かりやすい形を取っております

 

さて、私の感想ですが、上記にも書きましたが『有名芸能人を起用しただけの大コスプレ大会である』という物でした

映画という媒体に落とし込む都合上致し方の無い点のかもしれませんが、設定やストーリー、登場人物の苦悩や葛藤、その他諸々が『薄っぺらく』、また、人物設定を守っているというポーズを取る為に不自然な世界観を作り上げている物になっており、学生のお遊戯会と大差無いという認識です

「有名俳優・女優を使っていれば客が来るだろう」「有名洋楽アーティストに曲を歌わせてりゃ良いだろう」「形だけ設定を守っていれば良いだろう」という雰囲気をビンビンに感じました

 

2006年の漫画原作の実写映画という事で、CGや撮影機器・撮影技術も拙く、今見てみたら時代遅れ感なのは致し方の無い事ではあります

が、兎にも角にも、年代的にこの位から映画業界というのは節操なく漫画作品の実写映画化を推し進めています

それは同時代の『ラブコン』『ハチミツとクローバー』『クローズZERO』などがヒットを飛ばしたからであると考えられます

以前の記事にも書きましたが、漫画作品原作の実写映画化というのは作者へ支払うお金が比較的低く抑えられます

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製作費自体を圧縮出来るという事は、小規模なヒットでも十分な利益が出るという事であり、また、作品に力を入れずとも大量に制作した作品の一部がヒットすれば投資したお金を容易に回収できるとも言えます(数打ちゃ当たる戦法)

人気漫画を映画化するという事であれば、漫画作品のファンへはそれほど広告費を掛けずとも認知してくれ、映画館に足を運んでもらい易いでしょうし(固定ファン)

有名俳優・女優を起用すれば、俳優・女優のファンは勝手に認知してくれ、映画館に足を運んでもらい易いでしょう(固定ファン)

つまり、映画製作陣としては何ら能力が必要で無い仕事と言えます

 

これは言ってみれば、映像業界に芸能界に、夢を求めて多くの人間が入り込んで来てしまい、その人達を食わせて行かせる為の、業界の生存戦略なのかもしれません

作品を作る、という高尚で芸術的で才能が必要な行為に憧れる人間が多くなりすぎたせいで、業界に歪が生じているのかもしれません

同じ業界の『声優』でも同じような事が起こり、しばしば話題になったりしています

数年前から、小学生の将来なりたい職業ランキングの上位に声優が入る事は珍しい事では無くなりました

多くの人間が目指すようになったからと言って、急に業界に多くの仕事が舞い込む訳ではありません

当然、一部の有名声優の人を除き、殆どの人が仕事に溢れ、『新人』『若手』の看板に相応しく無くなるまでに、有名声優に成れなかった人は夢を諦めていきます

思えば、『コスプレ』という物も、ここ数年で一気に市民権を得た物であって、2006年当時であれば、オタクが好む趣味と蔑まれて見られていました

今の様に『コスプレイヤー』として、仕事になるなんて考えられて居ませんでした

 

話がごちゃついて来ましたので、デスノートに話を戻します

まとめると

約20年も経てば、同じ作品を見たとしても感想が変わって当然と言える

というお話でした