将棋倶楽部24のサービス終了について思う事

先日(10月01日)、インターネット将棋の草分け的存在である『将棋倶楽部24』が、自身のページにて2025年内でサービスを終了するというアナウンスがなされました

www.shogidojo.net

ページにも書かれていますが、1998年末からサービスを提供し、数多くの将棋ファンに愛されてきたサイトではありますが、サイト運営者である『久米宏(2020年に亡くなられたアナウンサーの方は同姓同名の別人です)』氏より、「引退するが後進が居ない為、サービスを終了する事になった」と発言されております

 

私自身も長年愛用して来た愛着のあるサイトで、数多くの対局をさせて頂きました

その為、サービス終了は大変悲しく、残念に思います

将棋倶楽部24と言えば、伝説のdcsyhiという存在もありました

 

久米氏の言う様に、昨今は、『将棋ウォーズ』や『将棋クエスト』など、インターネット将棋が出来るサイトは沢山ありますし、その中の一つである将棋倶楽部24一つがサービスを終了しても、今後もインターネット将棋は楽しめるでしょう

が、やはり、長年お世話になったサイトのサービス終了というのは感慨深い物があります

 

他サービスには無い、将棋倶楽部24だけの特徴をとして

・最長持ち時間、各自30分、使い切ると60秒切れ負け

・文字でのコミュニケーション

・手動マッチング

等が有ります

 

他のインターネット将棋アプリは、総対局数を増やそうとして、短い持ち時間しか無い物が多く、『将棋ウォーズ』なら3分切れ負け『将棋クエスト』なら2分切れ負け、等があります

将棋は本来、何十分もかけて対局する物であり、その『読み』の経験が実力向上には欠かせません

が、件の短い持ち時間の切れ負け将棋ですと、元々相手玉を詰ます気が無く、最初から時間切れを狙う人や、マイナーな奇襲戦法(横歩取り45角戦法や中飛車超急戦など)ばかり指す人も多く居ます

もちろん、それらがダメという訳ではありませんが、純粋な将棋の実力(棋力)向上には繋がりません

だからこそ、将棋倶楽部24の持ち時間30分の対局が貴重なのです

また、対局後の検討にも対局者同士での文字でのコミュニケーションで、対人検討を行った方が何倍も成長できると思います(将棋ソフトは評価値しか教えてくれません)

さらには手動のマッチングであれば「昨日この人に石田流で負けたけど、阪田流にはどんな対策をするんだろう」など、将棋への理解が深まります

 

もちろん、持ち時間の長い対局であれば遅延行為(盤面が悪くなったからと持ち時間ギリギリまで放置)された時に多くの時間を損失しますし、ソフト指し(盤面を将棋ソフトにかけつつ対局する不正行為)がしやすくなったり

文字を送れるという事は対局相手に暴言や罵声を浴びせたり、煽り言葉を吐く人も居るでしょうし

対局相手を手動で選べるという事は、何度も何度も粘着(何度も対局申し込みをして別の人間と対局出来ない様にする)して嫌がらせをする事も出来ます

 

が、これらはそういう行為をする人間が悪いのであって、システムが悪い訳ではありません

将棋倶楽部24が終了し、上記で挙げた唯一無二の特徴を持つインターネット将棋サイトが無くなってしまう事は、大変もったいない事であり残念に思います