増配について

初めまして

melloと申します

 


今回のテーマは『増配』です

 


結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます

 

株式会社の本懐は株主から集めた1円を1円以上の価値にする事にある

 


内容が気になった方は引き続きご覧ください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今回は日本企業の『増配傾向』についてです

以前から本ブログでも複数回取り上げていますが、昨今の日本企業も配当金の増額、つまりは増配に意欲的になってきました

melloblog.hatenadiary.com

SNSの株クラでも良く配当金や増配の話題はトレンドになったりします

そこで先日、X(旧Twitter)にてこんなポストを発見しました(投稿主に対して少し批判的な内容になるので、投稿主は塗りつぶしてご紹介します)

こういった投稿はこの投稿主だけではなく、ちょこちょこ見かけます

が、間違っている点を何個か挙げていきたいと思います

 

1、外資系ファンドに狙われるという事は個人投資家にとって絶対悪ではない

投稿主は「外資系ファンドに狙われる」という事を絶対悪と思っている様ですが、個人投資家にとってそんな事はありません

そもそも、個人投資家にとって企業の株式を購入する理由は、自身のトータルリターンの最大化が目的です

そのリターンが『株価の上昇』であろうが『配当金の増額』であろうが、変わりは有りません(株価の上昇の方が長期投資に於けるバイアンドホールドを考えた時に複利の関係で有利ですが)

 

2、株価を上げるには増配しかない…訳ではない

枕詞にある『PBR1倍割れ』企業であれば…とありますが、それでしたらむしろ事業投資・設備投資に回した方が効率的であると思われます

そもそも、株式会社の本懐は株主から集めた1円を1円以上の価値にする事にあります

配当金・自社株買いに株主のお金を使うのでは、株主の1円を1円のまま株主に返している事になります(配当金であればそこからさらに約20%の税金を徴収されますので、株主から集めた1円を0.8円…つまりは80銭にして返している行為になります)

であるならば、個人で出来る商売ではなく、もっと多額のお金がかかる商売をするべく、事業投資(新規事業への投資・既存事業の拡大・企業のM&Aなど)や設備投資(既存設備のメンテナンス・新規設備の導入・設備の効率化など)の方へお金を振り向けるべきです

もちろん、こういった投資が貸借対照表上、有利なキャッシュフローとなって、儲けを出すには、投資を行ってから幾ばくかの時間が必要になります

それは1年後なのか3年後なのか5年後なのか10年後なのかは分かりません

その間、儲けになるまで株主は黙って耐えてろ、というのは酷ですし株主を蔑ろにしているとも言えます、株主が愛想を尽かして投資資金を他社へ持っていく可能性はありますので、株主に愛想を尽かされない程度には配当金や自社株買いという短期的な株主還元も必要ではあります

が、それはあくまで2次的な物であり、本来は本業で稼ぐ能力を高める事によって企業価値を高める事によって株価の向上を図るべきです

 

3、累進配当政策は自社の商売に自信が無い証拠とも言える

配当金については4っつのタイプがあります

ほぼ無配当業績連動累進配当連続増配です

ほぼ無配当に関しては上記の『事業投資・設備投資』に多額のお金をかける、これからの成長産業です

一部、もう既に何十年と商売を行っておきながら、そして斜陽産業でありながら、株主に対してホンの僅かな配当金しか支払わず、斜陽産業であるが故に投資にも積極的でない、株主のお金を自分のお金だと勘違いしている経営陣が居る会社がありますので『ほぼ』と付けさせて頂きました

次に業績連動の企業です

業績連動を宣言している企業は、行っている事業が景気に敏感な商売である事が多く、ある年は物凄く儲けが出て、ある年は赤字になったり、という事を繰り返す宿命にある業種によく見られます

一つ飛ばして連続増配の企業です

連続増配を宣言している企業は、読んで字の如く、今日より明日、明日より明後日、今年より来年、来年より再来年には自社の価値が右肩上がりになっているという自身の表われです

日本株に於いては連続増配年数トップの花王(4452)は30年以上、連続増配し続けています

米国株に於いては連続増配年数50年以上の企業がゴロゴロしています

一つ共通して言えるのは、業績連動を宣言している企業よりも安定した稼ぎのある事業を行っているという事です

テック企業などの『前年度比売り上げ20倍』とか言う事はあり得ませんので、ド派手な株価の値動きにはなり辛い特徴があります

そして最後が累進配当です

累進配当も読んで字の如く、今後、配当金を上げる事はあっても下げる事はない、と宣言したという事です

業績連動型と連続増配型のちょうど間くらいの配当政策と言えます

が、これは言い換えれば株主還元に対して明確なビジョンが無い、とも言えます

ほぼ無配当の企業は『株価を上げる事に全力出すからヨロシク』というメッセージですし

業績連動の企業は『業績が良い時は株価の上昇と配当金でボーナスもあげちゃう』というメッセージですし

連続増配の企業は『株価を右肩上がりにするのは難しいから利益はほとんど配当金であげる』というメッセージです

一方、累進配当の企業は『今年は爆益の決算だけど来年以降がどうなるか分からないから去年と同じ配当金ね』が、まかり通ります

 

悪い経営陣ならそうですが、明確なビジョンを持って累進配当を宣言している企業の経営陣であれば、そのビジョンは決算資料なり、株主総会なりで確実に名言しているはずです

その明確なビジョンに賛同できるのであれば、累進配当であろうが株式を購入すれば良いと思いますが、『累進配当である』という事が個人投資家にとって、プラスになる情報とは思えません

むしろ中期経営計画などで『今後、ガンガン配当金を上げていくからヨロシク』などと書かれていて、その内容が信用に値するのであれば累進配当宣言を行っているか等と言う事に関係がありません

 

そもそも、連続増配を宣言していようが、累進配当を宣言していようが、減配する時は減配します

事業が沈んで毎年赤字を垂れ流し、自己資本も枯れ果て、銀行融資も受けられなければ、配当金を支払う原資がありません

倒産か減配かとなれば、多くの企業は減配を選ぶでしょうし、そうなる前に手を打ちます

 

まとめると

外資系ファンドに買われる事は絶対に悪い事とは限らないし、株価を上げる方法は増配以外にもたくさんあるし、累進配当は明確に喜ぶべき配当政策と言う訳ではない

 

というお話でした

 

 

追記

上記で『個人投資家にとって企業の株式を購入する理由は、自身のトータルリターンの最大化が目的』と書きましたが、実際はインデックスの投資信託を購入するだけではなく、配当金投資を行う人が多く居る以上、『配当金』にはトータルリターン以上に投資家の精神衛生の向上に寄与する所が有る事は理解します