初めまして
melloと申します
今回のテーマは『楽天VTIとSBI・VTI』です
結果だけ知りたい方向けに結論を先に書かせて頂きます
結論としては、どっちでも良い
今現在、片方を保有しているのであれば、利確(或いは損切)してまで乗り換える価値は無い
内容が気になった方は引き続きご覧ください
さて、今回は投資信託に於ける実質コストがどの程度の差になったのかの検証です
最初期の記事にもあります様に、私が推奨する投資商品は以下の3種類です
①SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド(以下SBI・VTと表記)
②SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(以下SBI・VTIと表記)又は、楽天・全米株式インデックス・ファンド(以下楽天VTIと表記)
③バークシャーハサウェイB種株式(以下BRKと表記)
です
①②③の内、インデックス投資は①②であり、アクティブ投資は③です
なので、この時点で選択肢があります
インデックス投資を志向するのであれば①か②、アクティブ投資を志向するのであれば③です
インデックス投資を志向するにしても対象の指数を選ぶ必要があります
①は全世界、②が全米です
インデックス投資の大原則である『長期・分散・低コスト』の観点から考えると、投資期間の長さは個人の特性があるので投資商品には無関係として、分散と低コストに関しては本来は相関関係にあるはずです
分散を効かせれば効かせるほどコストが余計に掛かります
何故ならより多くの銘柄を売買しなくてはならない都合上どうしても売買コストが高まります
実際に購入するETFでもVT(経費率0.07%)とVTI(経費率0.03%)ではコストに差があります
当然、SBI・VT(信託報酬0.1338%)とSBI・VTI(信託報酬0.0938%)でも経費率に差があります
その差は0.04%です
つまり、0.04%余計にコストは掛かるけれど全世界に分散を効かせるか、米国に集中投資する事になるけれどコストを0.04%減らすかという選択が出来る訳です
因みに、投資インフルエンサーの中で人気のeMAXIS Slimシリーズで言うと面白い事になっています
eMAXIS Slimシリーズで今回の様な比較をするとなると対象商品は
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)になると思われますが(eMAXIS SlimシリーズにはVTIを対象とした投資信託はございません)
その信託報酬は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)が0.05775%、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が0.09372%となっており、逆転現象が起きています
その差は0.03597%です
つまり、全世界に分散投資出来る上にコストが0.03597%低いeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と、全米に集中投資する上にコストが0.03597%高いeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)という図式になっております
これではeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を選び得だと思われるのですが、世間的にはそうでも無いようです
それは純資産額に表れています
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の純資産額が約4兆4000億円なのに比べて、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の純資産額は約5兆6000億円です
その差は1兆円以上開いています
さて、話を戻しまして
①と②の選択では、個人的嗜好で選んで頂いて構わないのですが、問題は②のSBI・VTIと楽天VTIの選択です
2つの信託報酬は
SBI・VTIが0.0938%
楽天VTIが0.162%
であり、その差は0.0682%です
これだけ見れば、SBI・VTI一択の様に見えますし、今から投資信託を買い始めるというのであればSBI・VTIが正解であると考えます
では、今現在楽天VTIを保有している人は利確或いは損切をしてまでSBI・VTIに乗り換えるべきかという疑問が生じます
実際に基準価格の騰落率を見てみましょう
こちらは楽天VTIの騰落率です

さらにこちらはSBI・VTIの騰落率です

基準価格というのは全てを内包した価格です
対象商品(VTI)の騰落もありますし、そこからコストを差し引いた数字でもあります
つまり、論理的に言えば、SBI・VTIと楽天VTIの基準価格は毎年、楽天VTIの基準価格の方がSBI・VTIよりも、0.0682%ずつ劣後しないと話が合わないという事になります
SBI・VTIの新規設定日が2021年06月29日なので、最長で3年のスパンでしか見れませんが、計算上は3×0.0682で0.2046%の差が付いていなくてはおかしい訳です
ですが、上記の画像を見て頂いたら分かります様に、実際は0.11%しか差が付いていません
本来付くはずだった差額の0.2046%が0.11%に縮んでいる訳ですから、その差である0.0946%はどこへ消えたのかと言いますと、SBI・VTIの運用コストに消えた訳です
投資信託というのは、新規設定された直後というのは純資産額に対して日々の入出金率が高止まりする運命であると言えます
そして入出金率の高止まりは高コストへと繋がります
では、より純資産額も高く、より長く運用している楽天VTIの方が絶対に優れているのかというのそうでもありません
もう一度、上記の画像を見て頂きたいのですが、直近1年の騰落率では逆転現象が起き0.02%と僅差ではありますがSBI・VTIが劣後しています
両社の信託報酬差(0.0682%)を鑑みた場合、SBI・VTIも新規設定から3年が経過し、今更高コストになる理由はありません
この謎を紐解くカギは両社の『先物率』にあります
両社は、そのコンセプトから『VTIを買うだけファンド』として誕生していますから、投資先はVTIだけです
ですが、日々個人投資家からの買い注文や売り注文に対応しなくてはなりませんから、信託された現金全てでVTIを購入してしまいますと、翌日の売り注文に対応する現金がありません
当然、毎回売り注文の額の分だけVTIを売却している様では売買手数料が膨大な額になってしまい、対象指数のパフォーマンスから売買手数料分だけ大きく劣後します
そこで、この売り注文に対する対応策として、預かった現金を一部取っておく方法と、先物を使用する方法があります
先物取引は信用取引の一種で、詳しくはご自身でお調べ頂きたいのですが、つまりは「今の価格で明日買う」という取引です
インデックス投資である以上、今日の価格よりも明日の価格の方が向上しているはずだという、価格が右肩上がりのである前提という取引です
では楽天VTIとSBI・VTIはどうかと言いますと
その内容は両社の目論見書をご覧頂ければ分かります
楽天VTIの目論見書5ページ

SBI・VTIの目論見書5ページ

上記の様に、楽天VTIが純資産額の1.2%で先物を使用し、SBI・VTIが純資産額の0.5%の現金を運用せずにとっておく方法を使用しています
つまり、これこそが、前述した両社の直近1年の騰落率の信託報酬差を覆す逆転現象の答えだと思われます
これに関しては賛否両論あるでしょう
「せっかくインデックス投資を選んだのに投資信託内で信用取引しているのであれば意味がない」とか
「全体の1.2%程度なら問題ない」とか
「現金を0.5%とっておくという事は、確実にVTIの値上がり-0.5%を受け入れる事になる」とか
両社の暴落率を見るに、楽天VTIの先物取引はそれなりに上手くいっている様にも見えます
ですが、結局は信用取引ですから、何か一つ掛け違えがあれば崩れる可能性も無きにしも非ずです
ですが、その額は全体の僅か1.2%に過ぎないとも言えます
0.5%といえど、純資産額で割ると約3000億円×0.005ですから、15億円にも上ります(楽天VTIの先物使用額は204億円)
これだけの現金を投資信託内で遊ばせる事を許容するくらいなら、むしろ自分自身でVTIをETFとして購入する方が良いのかもしれません
こればかりは個人の嗜好によるとしか言えません
私個人としては、1.2%の先物使用を許容して楽天VTIを選択しています
結果的に、
結論としては、どっちでも良い
今現在、片方を保有しているのであれば、利確(或いは損切)してまで乗り換える価値は無い
というお話でした